「ゼンタングルを描いてみたけど、なんだか平面的に見える」——。 そんなときこそ、シェーディング(陰影)の出番です。 この記事では、ゼンタングル認定講師(CZT)が、立体感を生み出すシェーディングの技術を詳しく解説します。
1. シェーディングとは何か
シェーディングとは、鉛筆で陰影をつけることで、作品に立体感や深みを与える技術です。 ゼンタングルの8つのステップの中でも、6番目に位置づけられている重要な工程です。
なぜシェーディングが重要なのか
ペンだけで描いたゼンタングルも美しいですが、シェーディングを加えることで、 パターンが浮き上がり、奥行きや立体感が生まれます。 同じパターンでも、シェーディングの有無で印象が大きく変わります。
2. 必要な道具
シェーディングに必要な道具は、シンプルです。
鉛筆
HB〜Bの鉛筆が適しています。 一般的に鉛筆での作画では芯が柔らかいほど、濃い影を表現できますが、ゼンタングルの作品は画面が小さいため、2Bなどの濃い鉛筆を使用すると鉛筆の粉が伸びすぎて画面全体を汚しがちです。 慣れるまではHB〜Bの鉛筆を使う方が良いでしょう。
さっぴつ(ぼかし用の紙棒)
鉛筆で描いた線を優しくこすって、グラデーションを作る道具です。 先端が細くなっているので、細かい部分のぼかしにも使えます。 綿棒や指でも代用できますが、さっぴつを使うと、より繊細な表現が可能です。
3. 基本的なシェーディング技術
以下の基本技術をマスターしましょう。
1. グラデーションの練習
鉛筆で2mm程度の幅で3cm程度の長さの横線を描きます。 その線をさっぴつで優しくなぞり(小さな丸をくるくる描くようにさっぴつを動かしてみましょう)、鉛筆の粉を自分の方に伸ばしてきます。 これにより、濃い部分から薄い部分へと自然に移行するグラデーションが生まれます。
コツ: さっぴつは先が斜めに画面に触れるように持ちます。立てないで寝かせて使うイメージ。 最初は軽く、様子を見ながら徐々に強く擦ってみてください。強く擦ると濃くなります。
最初に書いた線から3cm程度まで自分の方に鉛筆の粉を伸ばすことができますか? 最初の線に近い部分は濃いグレーに、自分に近い方は薄いグレーになっていると思います。 濃いグレーから薄いグレーにグラデーションが綺麗にできるよう、練習しましょう。
2. エッジシェーディング
パターンの縁(エッジ)に沿って、鉛筆で影をつける技術です。 これにより、パターンが浮き上がって見えます。 パターンの重なり、手前と奥の関係が表現できます。
3. ニコニコシェーディング
丸い物の立体感を表現したい時、丸い物の下部にニコニコ線(横になったCカーブ)を入れ、さっぴつでぼかします。 上部に白のまま残すスペースをキープすることで、明暗が生まれ、立体感を表現できます。
4. シェーディングのコツ
シェーディングで立体感を出すには、以下の点を意識してみてください。
1. 重なりを見つける
重なり合うパターンがある場合、手前にあるパターンは明るく、奥にあるパターンは暗くします。 これにより、奥行きが生まれます。
2. 白を残す
鉛筆の粉を全体につけると全てがグレーになってしまいます。 鉛筆の粉をつけず、白く残す場所を意識します。 これによって白、薄いグレー、濃いグレー、黒といった段階ができることで立体感が表現できます。
3. コントラストをつける
濃い影と明るい部分のコントラストを意識することで、作品がメリハリのあるものになります。 すべてを薄くぼかすのではなく、一部に濃い影を入れることがポイントです。 一旦シェーディングを入れた後、例えばタングルの際、V型の谷になっているところなどに、再度鉛筆を入れてコントラストを際立たせます。
5. パターン別のシェーディングのコツ
どんなシェーディングを施しても良いですし、冒険してみるのも楽しいですが、 パターンによって「こうすると効果的」という定番のシェーディング方法があります。
Hollibaugh(ホリバー)
重なり合うテープ(板)の、下側のものにシェーディングを入れます。 どちらが手前で、どちらが奥かを意識することが重要です。
Jetties(ジェティーズ)
丸いものにはニコニコシェーディングが有効です。 丸の下の方に影を入れ、上部は白のまま残します。
Huggins(ハギンズ)
電話の受話器のような形の上側にシェーディングを入れます。 重なって組み合わさったような効果が出ます。
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